シングルマザーが見続ける夢 陶器と父、樹木希林さんの言葉

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今泉奏
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 美濃焼で知られる岐阜県は、全国で最も多くの陶器をつくるが、全国で最も女性の社長の割合が少ない。

 「女社長になりたい」

 岐阜県土岐市に住む藤田裕子さん(48)がそう言い始めたのは、小学校に入って間もないころだった。

 土岐市は美濃焼の産地の一つ。ここで陶器の卸売店を営む「藤田陶器」の三姉妹の長女として生まれた。毎年秋に開かれる「土岐美濃焼まつり」では、2代目社長の父の善平(よしひら)さんを手伝って店先に立った。

 「次から次に売れて、お金を受け取るのが楽しくてしかたなかった」

 茶わんやお皿の多くが国産だった時代。美濃焼は丈夫で使いやすく、一流の料理人から家庭の主婦まで幅広い人たちに愛されていた。

 だが、まわりの陶器の卸売店をみると、社長は男性ばかりだった。後継ぎの息子がいない家は、婿養子をとって次の社長に据えていた。

 それでもあきらめなかった。

 「自分でできるのに、なんで人に任せなきゃいけないの」

社長を夢見て、40年以上の月日が経った。ずっと変わらない「男社会」。それでも前を向いて進めるのは、父が残した小さなメモのおかげだと思う。そこに書かれていた言葉は――。

 家を継ぐのは私。そう信じて…

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