「好きな仕事を好きな仲間と」事故乗り越えバリスタ2人、店オープン
佐藤瑞季
30代のバリスタ2人が、高品質のコーヒーを出す専門店を名古屋で始めた。理想のコーヒーを追い求めているさなかに1人が交通事故に。夢をあきらめかけたが、もう1人が支え、開店までこぎつけた。「もっとコーヒーを身近な存在にしたい」。そんな思いの詰まった店が、少しずつ評判を呼んでいる。
「FREAK COFFEE ROASTERS」(名古屋市名東区藤が丘)。店は、コンクリート打ちっ放しのビル2階に構える。11月中旬のある日の午後、ガラス扉を開けると浅煎りの豆の香りがただよってきた。親子連れや近くで働く会社員らが次々とやって来た。
扱うのは、生産から販売まで高品質が保証された「スペシャルティコーヒー」だけ。注文を受けてから1杯ずつ豆をひいていれるドリップコーヒー(600円から)が、店のいち押しだ。
「きょうは何にしますか? ドリップなら豆は3種類、ご用意していますよ」
バリスタの下川修平さん(33)が気軽に客に話しかける。服に隠れていて見えないが、左足は義足。注文が入ると鈴木優也さん(32)が飲み物をつくる。息が合った様子だ。
2人が店を始めたきっかけは、6年ほど前、鈴木さんが働くカフェに下川さんが訪れたことだった。
ともにバリスタとして腕を磨…