パナソニック過労自殺、妻が会見「夫は自宅ですごく苦労して仕事」

野田佑介
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 電機大手パナソニックで働いていた富山県の男性(当時43)が2019年、「持ち帰り残業」を含む長時間労働の末に自殺した問題で、男性の妻らが7日、富山市内で記者会見した。妻は「もう二度と同じことが起きないようにしてほしい」と、同社や社会に再発防止の徹底を訴えた。

 男性は当時、富山工場(富山県砺波市宮丸)で課長代理を務めていた。パナソニックは、過大な仕事量や「持ち帰り残業」を含む長時間労働を正さずにいた結果、男性がうつ病を発症して自ら命を絶ったとして遺族に謝罪。解決金を支払うことなどで6日に和解が成立している。

 会見した妻は時折、目頭を押さえながら語った。「夫は自宅ですごく苦労して仕事をしていた」と振り返り、「夫の場合は一人にかかる負担が大きかったと思う。同じことが繰り返されないためには、上司などに相談しやすい雰囲気にすることが必要だと思う」と述べた。

 遺族側代理人の松丸正弁護士は「企業側が労働時間や従業員の健康状態を適正に把握することが必要。国も持ち帰り残業を時間外労働としてもっと広く認めるべきだ」と強調した。

パナソニック「個人の犠牲、徹底して排除」

 一方、パナソニックは7日、今回の問題を受け、ホームページで再発防止策を公表。労働時間を正確に把握するためのシステムの導入や上司と部下がしっかりと意思疎通できるようなミーティングを導入することなどを明記し、「個人の犠牲の上に成り立つような業務運営は徹底して排除し、誰もが安心して活躍できるような職場風土の醸成に取り組んでいく」とした。(野田佑介)