母の死後に見つかった電報 父が暗号を使ってまで伝えたかったのは…

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三井新
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 はじまる日つぶやく老母の十二月八日

 宮城県加美町の常陸れいさん(79)が日米開戦の日を詠んだ句は、2016年1月4日の朝日俳壇に載った。

 約1カ月前の15年12月8日朝。常陸さんの母、わかさんは起きると、「ああ、始まる日だね」と話したという。常陸さんが台所で朝食を準備している時。母はコップで水を飲んでいた。

 常陸さんは「その一言に母の戦争や父に対する思いが凝縮されている気がした。開戦は母の人生の始まりだったと思った」と振り返る。

 わかさんは普段、夫で常陸さんの父、幸喜さんの話をほとんどしなかった。常陸さんは衝動にかられ、句を詠んだ。

 幸喜さんは陸軍少尉。開戦から約1年半後の1943年7月16日、フィリピン・ミンダナオ島で戦死した。33歳だった。42年3月に生まれた常陸さんに、父の記憶はない。

 母は2018年に98歳で亡くなった。死後、自宅のクローゼットで、父が母や常陸さんに宛てた手紙や電報などが見つかった。いつの間にか目につく場所に移してあった。「どこにしまっていたんだろう。亡くなる前に懐かしんで見たのかな」と常陸さん。

 あれから3年。常陸さんは時折、見返してきた。

 中には暗号を使った電報もあった。「18・4・15」の日付印が押してあり、「ヒロシマ」の文字も確認できる。

 「一・一三・三四・四四・一四・一四・ヒタチ」と書かれている。

 横には母の文字で、「ア サ…

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