商品券10万円分受領の高知・香南市長、突然の辞任「早く次の人に」

冨田悦央
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 高知県香南市発注の市営団地解体工事を巡る官製談合事件で、市に衝撃が走った。清藤真司市長(56)が7日、市役所で緊急会見を開き、辞任を発表。事件で贈賄などの罪で起訴された建設業者から商品券を受け取った道義的、倫理的な責任を取るとして、「市政のかじ取りを一刻も早く次の人にゆだねたい」と話した。

 市議会定例会開会を控えた午前9時15分、清藤市長は議場隣の部屋で市議18人全員に、辞職の意向を報告した。斉藤朋子議長に辞任届を提出し、市議会最終日の22日をもって退職すると説明したという。

 斉藤議長は「こんなことになるとは」と言葉を詰まらせた。庁舎内でも「市長辞職」の一報を耳にした職員らが「何も聞いていない。どうなるのか」と不安げな表情で話していた。

 清藤市長は昼の議会休憩中に会見し、10万円分の商品券を建設業者から受け取ったことについて、「法的に問題ない」と改めて主張した。ただ、辞任にともなう次期市長選に「自身が立候補することはない」とした。

 清藤市長は2012年7月の市長就任以降、横領や酒気帯び運転などにより懲戒処分した市職員が計14人に上り、不祥事が相次いだことも辞任を決断した理由にあげた。9月議会でも市議から、管理、監督責任を追及され、「市政への信用失墜は著しいものと感じている。組織を預かる市長として深くおわび申し上げる」と陳謝していた。

 ある市議は、高知地検が「(公契約関係競売入札妨害などの罪で起訴された元市議が)市職員から入札の最低制限価格の近似額の教示を受けた」としていることをあげ、「真実は一つ。(秘密の情報を)教えた人がいたのか」と述べ、早期の真相解明を求めた。

 市選挙管理委員会によると、辞職願が通知されると50日以内に市長選があり、来年1月末までに行われる見通しという。(冨田悦央)