手を抜かないラーメン職人 9月に死去した「大将」が残したこだわり

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上保晃平

【惜別】ラーメン店「ちばから」店主 長谷川誠一さん(52)

 豚の脂としょうゆが混ざり合った乳化スープに、平打ち太麺がよく絡む。弾力のあるチャーシューは、かんだ瞬間に脂がしみ出す。

 「千葉から全国へ」。この思いで「ちばから」と名づけたラーメン店を、名前の通り、全国的な知名度がある行列店にまで育てた。

 超大盛り、脂こってりで有名な「ラーメン二郎三田本店」(東京都港区)のすぐ近くで、同店の絶え間ない行列を見て育った。

 中学卒業後、壁紙を貼る内装業などをしていたが、ラーメン二郎の行列は強く記憶に残っていた。「自分もやってみよう」。30歳を過ぎ、ラーメン二郎の別店舗で修業を始めた。

 半年で基礎を学び、独立。市原市にある妻の利恵さん(52)の実家を改装して、2004年に「ちばから」を開店した。

 最初は集客に苦しみ、1時間に1人しか来店しないことも。他店のラーメンを食べ歩き、利恵さんと二人三脚で味の改良に取り組んだ。

 「頭の中で味ができる」。常々こう語っていた。試作を重ねるよりも、思い描いていた味を利恵さんの前でいきなり再現した。

 持ち前の器用さで、製麺機は…

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