東京都の区立中学校が11月、生徒にSNSのアカウントのパスワードを提出させていたことがわかった。保護者に子どものSNS状況を把握するよう促す際に、パスワードも誤って提出させていた。区教委は学校へ提出させたことは謝罪しているが、そもそも親が子どものパスワードを管理すべきなのか。
練馬区教育委員会が提出させたのは「我が家のSNSルール」と題した文書。スマートフォンやSNSを1日に何時間使うか、使用後はどこに保管するかなどについて書き込む。
SNSのパスワードについても「○○です」という記入欄があった。「○○と共有します」という欄もあり、保護者ら家族との共有を促すものになっていた。
文書の狙いは児童、生徒がSNSの使用で犯罪に巻き込まれたり、いじめが起きたりするのを防ぐこと。
区教委の担当者によると、文書を学校に提出させることで、SNS利用のルールを家庭内で作ってもらうよう促す狙いだったという。文書は提出後、家庭に返却するよう学校に指示していた。
区教委は昨年、約4万7千人分を印刷して区内の小・中学校、計98校に配布した。配布後、学校関係者らでつくる協議会から、パスワードを第三者である学校関係者に知らせることに対し、個人情報の観点などから問題を指摘された。
このため、区教委は文書のパスワード欄を塗りつぶしたり、記入の必要がないと伝えたりしたうえで学校に提出してもらうように、各校に指示した。
ところが、今回の中学校は今…
- 【視点】
SNSパスワードの提出は、個人情報保護の観点からもちろんあってはならないことですが、世の中のテクノロジーの進化についていけない学校側のデジタルリテラシーやスキルをいかに上げていくかは、社会全体の問題のように思います。1人1台の端末を整備して