子育てからNFTまで スプツニ子!と考えるアートの世界

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構成・田島知樹
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 アーティストのスプツニ子!さんは、社会の「当たり前」を疑い、作品を通して多くの人の価値観を揺さぶってきました。そんなスプツニ子!さんの作品に影響を受けてきたというのが映画監督の飯塚花笑さん(31)と壁画アーティストの吉田佳寿美さん(28)。スプツニ子!さんが2人と語り合いました。

 飯塚 私はトランスジェンダーなのですが、日本ではジェンダーに関する表現に誤りのある作品が多く、自分自身の未来が描けませんでした。だから自分が映画監督になり、作品を通してロールモデルを作ろうと思いました。

 スプツニ子!(以下スプ) 私の母はイギリス人ですが私自身は日本で育ちました。私が子どもの頃の日本のメディアって女性蔑視的なコンテンツが多かった。女性が水着で熱湯に入るみたいなのもあったし。社会の風潮も女は結婚できないと負けとか頭が良いとモテない、とか。本当に嫌でした。10代の頃はロールモデルとしてミランダ・ジュライやソフィア・コッポラなどのアーティストが好きでした。アーティストってかっこいい。私も表現力豊かに自分の意見を発信できたらと思いました。

 吉田 私は福岡出身です。地方にはまだ根強く無意識の差別があります。社会を動かすにはどんなアプローチがあるのでしょうか?

 スプ ソーシャルメディアはひとつの救いかな。「#MeToo運動」がありましたよね。既存のメインストリームのメディアとは別の場所で発信できるし、色々なインフルエンサーとも触れられます。日本のメディアはまだまだ男性社会、朝日新聞も含め女性の役員をもっと増やして視点を広げて欲しいです。

 作品を作っている姿勢を見せることも大事だと思います。作家のスタンスを見て勇気づけられる人はたくさんいます。でもこういう話って10年前は今より全然少なかったから、だいぶ変わってきたかな。東京芸大で教えていても学生たちのリテラシーがすごく上がったって感じます。

 飯塚 美大出身なのですが、デッサン重視の入試に疑問があります。

 スプ 日本は技巧重視のところがありますよね。アートも映画も視点やコンセプトメイキングが大事だと思います。特に映画はお金集めて、人集めてって総合格闘技じゃないですか。技術の特訓ばかりで大学に入ったら「コンセプト考えろ」って言われて心が折れちゃう子もいるんですよね。

 私は多分、日本の美大は全部落ちていると思う。

 ロイヤル・カレッジ・オブ・…

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