東京五輪は「大成功」、IOCバッハ会長 札幌は「コロナ対策不要」

ロンドン=遠田寛生
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 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は8日、理事会後の記者会見で、新型コロナウイルスの影響で今夏に延期して開催された東京オリンピック(五輪)について、「東京大会は安全に開催され、大成功だった」と総括した。

 IOCは、17の国・地域、計3万2055人を対象に独立機関が実施した調査報告を発表。それによると「93%のアスリートが『地球上で最も大きな大会に参加することは大切だった』、84%は『オリンピアンになることは重要だった』と回答した」という。

 また、調査に応じた人の約65%が「東京大会は成功だった」、59%が「コロナ禍で東京大会はトンネルの先の明かりになった」と答えたとバッハ会長は説明した。

 バッハ会長は、新型コロナ対策の成果も大会成功の要因に挙げた。大会が始まる前の7月1日から閉会式のあった8月8日まで65万件以上の新型コロナ検査を実施し、「陽性率はわずか0・02%だった。この数字からも(対策が)素晴らしく効果的だったことが分かる」と話した。

 東京大会は、テレビとインターネットを合わせて約30億5千万人が大会を視聴し、五輪史上、最も多くの人に見られた大会になったという。

 ネットでの動画再生回数では、IOCと契約を結ぶ放送局のデジタル配信だけでも、2016年リオデジャネイロ大会から139%増となる280億回を記録したという。

 IOCのSNSアカウントには61億回のエンゲージメントがあったとし、バッハ会長は「世界中の視聴者の注目を浴びたという点で、東京大会は前例のない成功を収めた」と評価した。

 また、30年の冬季五輪パラリンピック招致を目指している札幌市については、東京五輪と状況は比較できないと言った。30年までにコロナ禍が収束しているという考えを示したうえで「コロナ対策も制限も必要ないと我々の多くが自信を持って言えるだろう」。スポンサーなどビジネスへの影響も考えにくいとした。

 札幌市の計画では、五輪開催のために新しく建てる施設が少ない点にも触れ、「札幌は実質的に(開催するために必要な施設をほぼ)持っている。だから(大会準備段階の)東京とはスタート地点がかなり違う」と語った。(ロンドン=遠田寛生)