多古町長に罰金30万円の略式命令 投票依頼めぐり「恩恵期待」供述

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上沢博之 多田晃子
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 10月の衆院選で町長としての地位を利用して町職員に投票を依頼したなどとして、千葉区検は8日、千葉県多古町長の所一重容疑者(56)を公職選挙法違反(公務員の地位利用など)の罪で略式起訴した。千葉簡裁は同日、罰金30万円の略式命令を出し、所容疑者は罪を認め、即日納付した。いずれも千葉地検が発表した。

 起訴状などによると、所容疑者は衆院選投開票日の10月31日朝、町長としての職務上の地位を利用し、県内の自宅で、自らの携帯電話からLINEを使って同町職員18人に対し、地元の千葉10区から立候補していた候補者への投票を依頼する趣旨のメッセージを送るなどしたとされる。

 所容疑者は、千葉10区から立候補した自民党林幹雄氏を支援。林氏は立憲民主党の候補らを破り、2851票差で当選した。

 捜査関係者によると、所容疑者は逮捕当初、「投票率を上げたかったからで、投票依頼ではない」と容疑を一部否認。その後、黙秘に転じ、最近になって容疑を認め始めたという。

 動機に関しては、林氏が当選することで、成田空港が計画している滑走路の延伸・新設などの機能強化にあたって、同町が「恩恵」を受けることを期待していたとの趣旨の供述をしているという。

 また、2019年の台風被害の際、幹事長代理(当時)の林氏に地元への支援を依頼したところ了承され、二階俊博幹事長(同)から「自衛隊を行かせるから安心しろ」という旨の連絡があり、自衛隊が支援活動に駆けつけてくれたことに恩義を感じていたといい、「林先生にはずいぶんお世話になった」という旨の供述もしているという。

10日に進退表明か

 公職選挙法違反罪で罰金30万円の略式命令を受けた多古町の所一重町長(56)は8日、弁護士を通じて町に「町長の進退を弁護士と検討しており、10日に記者会見を開く」と伝えた。

 町によると、刑の確定は2週間後。所町長の任期は来年4月26日までだが、有罪が確定し公民権が停止されれば、失職し、町長選は前倒しされる。一方、正式な裁判を申し立てて、在職しながら争う選択肢もあり、所町長の判断が注目される。

 所町長の刑事処分の連絡を受け、平野欽作副町長は8日夕、町役場で記者会見。「このような事態を大変重く受け止めています。ご迷惑をおかけしたことを改めておわび申し上げます。信頼回復に全力で取り組んでまいります」と陳謝した。弁護士を介して連絡があり、町長とは直接連絡が取れていないという。

 町長の任期満了が迫る中、町…

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