神戸市のワクチン配送、一部で多重下請け 「中抜き大きく不健全」

有料会員記事新型コロナウイルス

五十嵐聖士郎
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 神戸市民間委託している新型コロナウイルスワクチンの医療機関への配送業務の一部で、何重にも再委託が繰り返されている。取材に対して複数の業者が認め、末端の業者は「異常な多重下請けで配送費は中抜きされ、責任の所在もあいまいになる」と話した。市は実態を把握しておらず、命にも関わるワクチン配送が、不透明な状況下で行われている。

 「元請け会社の上着を着て、別の下請け会社の車でワクチンを運んだ。自分が契約した業者の姿は現場で見たことがなかった」。配送を担った男性運転手はそう明かす。区役所でワクチンが入った保冷ボックスを受け取り、軽バンに載せて昼までに医療機関2カ所に運ぶ業務だった。日給5千円程度で業者から仕事を受けた。だが、業務の指揮系統などに疑問を持ち、ワクチンという重要な荷を運ぶ責任を持てない、と仕事を辞めた。

 ワクチンを各区役所から接種場所の医療機関などに届ける配送業務は、神戸市が配送会社2社に委託している。市によると、配送業務は1日3時間程度。配送費として配送車1台につき日額3万~3万5千円を支払っている。

 朝日新聞が入手した市の5月時点の委託契約書などによると、1日の最大運行台数は76台で、契約期間の4~12月の配送費は計約5億円。配送会社2社には、配送ルート検討費と諸経費を含めて総額5億7千万円を支払う契約だ。

 市は契約に際し、責任もって配送してもらうため再委託は原則禁止とした上で、「第三者への再委託は市と協議のうえで可能とする」と事前協議を条件付けていた。市契約監理課によると、市の委託先の元請けが1次下請けに再委託する場合だけでなく、1次下請け以降が再々委託する場合も市と協議し承諾を得ることが必要だ。だが、複数の業者が「業者間で再委託が繰り返されているが、市の承諾はない」と証言する。

 ある配送業者は「運送会社から1台1万円にもいかない金額で仕事を受け、再委託もしている。市との協議や承諾はない」と話した。元請けとの間には複数の業者が入っているといい、「1日20キロも走らないので時給換算すれば悪くない仕事だが、通常は2次や3次まで。中抜きも大きく、不健全だ」と話す。

市は元請け2社に委託、実態把握せず

 別の業者も1台1万円にも満…

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