目が覚めたら妻は泣いていた コロナ禍で壊れた心、僕にできたことは

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若松真平
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 今から4年前、うえはらけいたさん(33)は妻と出会った。

 広告会社のコピーライターを辞めて、美術系大学に入った時のこと。

 年は少し離れていたが、お互い大学生同士だった。

 一緒に京都に行ったとき、電車の中でスマホの真っ黒な画面を見せながら、こんな話をしてくれた。

 「電車で自分の前に誰かが立った時さ、その人をジロジロ見たら悪いから、スマホを出して画面越しに見るの」

 そうやって席を譲るかどうかを決めているのだという。

 ちょっと不器用な感じが自分に似ているなと感じて、ひかれていった。

 お互いこれといった趣味もなく、旅行することが共通の楽しみに。

 費用をためようと自炊を増やすようになったら、面白いルールが始まった。

 「これは外で食べたら980円はするね」

 自分たちで作った料理を、外食した時の値段に換算する遊びだ。

 そうやって節約気分を高めて、あちこちに旅行した。

目覚めたら妻が泣いていた

 昨冬の朝、うえはらさんが目覚めたら、妻は泣いていた。

 「だめだね、こんなに弱くちゃ」

 コロナ禍で誰とも会えない生活や、リモートワークで限界が来たようだった。

 何と言っていいかわからず、「どうしたい?」と尋ねてみたが、何もしたくないという。

 「土日に旅行に行かない?」と誘ってみたが、世間の状況を考えたら行けるわけがなかった。

 それならばと、こんな提案をしてみた。

壊れた心を何とかしようと夫がとった行動。翌年、森山直太朗さんが発表した新曲のジャケットの絵につながりました。

 「ねぇ、目を閉じてみて。こ…

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