誰もすべてを理解していない? 補助金の仕組み、「闘争」の果てに

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塩谷耕吾
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 毎年12月になると、決まって競技団体の事務所にかかってくる電話がある。

 「強化費、使いませんか?」

 日本オリンピック委員会(JOC)からの連絡だ。

 競技団体の中には、春の段階では計画していた強化事業を取りやめ、申請していた補助金を返上する競技団体もある。そうして浮いた予算を消化するために、JOCは他の団体に声をかけ、新たな強化事業を提案するという。ある有力競技団体の職員はいう。

 「国の予算を使い切るためにJOCは必死。うちはいつも頼られる」

 予算が約100億円に達したスポーツ庁の競技力向上事業は大きく二つに分かれる。

 一つは国内外の合宿などの「基盤的強化」。JOCは競技団体からの要望をとりまとめ、スポーツ庁や文科省の外郭団体・日本スポーツ振興センター(JSC)などと予算配分を調整する。お金はJOCを経由して競技団体に渡る。

 もう一つは有望選手の海外活動の支援などの「戦略的強化」で、お金はJSCから直接、選手、競技団体に渡る。

 予算はスポーツ庁からJSCに「運営交付金」の形で入ってから、2ルートに分かれる。競技団体からの補助申請の書式は別だが、両者には似たような事業もある。

 JOC幹部はこぼす。

 「仕組みを全部理解している人は、競技団体にもほとんどいないだろうね」

 複雑な仕組みになった背景には、東京五輪開催決定後に勃発した「闘争」がある。

 2013年秋に設立された超…

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