「5G税制」3年間延長 控除率は段階的に引き下げ

吉田貴司
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 政府・与党は、高速通信規格「5G」の通信網整備を促す税制支援策を、3年間延長する。2021年度末に期限を迎えるが、コロナ禍で露呈したデジタル化の遅れを取り戻す動きを後押しする。ただ、法人税額から差し引く控除率は、現在の15%から段階的に引き下げる。

 5G税制は、20年度に2年間の時限措置として創設された。中国の通信大手、華為技術ファーウェイ)の機器に頼らず、サイバーセキュリティーを確保しながら5G通信網をはやく普及させるのが狙い。安全性や供給安定性が認められた場合は、基地局やアンテナ、送受信装置などを設備投資すると、税額控除がうけられる仕組みだ。

 今回、要件などを一部見直す。携帯大手などが対象の税制では、都市部と地方で引き下げ方法を変える。都市部の5G通信網は、高度な基地局などに対象を絞った上で、控除率を現在の15%から、22年度9%、23年度5%、24年度3%と下げる。一方、地方は22年度は15%を維持し、23年度に9%、24年度に3%にする。地域や工場内などに限定した「ローカル5G」も、携帯大手の地方と同様に22年度は15%、23年度は9%、24年度は3%に段階的に下げる。

 財務省などは、支援策を適用された企業はNTTドコモ1社にとどまり、巨額の利益をあげている通信大手を支える必要性は薄いなどとして、支援策の廃止を主張していた。しかし、岸田文雄首相は、デジタル技術を通じた地方の活性化を進める「デジタル田園都市国家構想実現会議」の政策の柱の一つに据え、通信網の整備を促す考えを示していた。6日開会した臨時国会に提出された補正予算案には過疎地や離島などで5G通信網を整備する補助金を計上しているが、総務省経済産業省は、税制・予算両面での支援が必要だとして、延長を求めていた。吉田貴司