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北海道の感染拡大 GoToが主因か 近畿と首都圏からウイルス流入

有料記事新型コロナウイルス

編集委員・田村建二
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 北海道で昨年秋、新型コロナウイルスの感染が急拡大したのは、観光支援策「Go To トラベル」事業が展開されていた昨年7月から11月にかけて、近畿や首都圏から相次いでウイルスが流入したのが主因だったとみられることが、慶応大や北海道大などの解析でわかった。

 トラベル事業は現在中断されており、政府は来年1月以降の再開を検討している。再開にあたっては、過去の検証を踏まえた感染対策が求められそうだ。

 研究チームは、昨年6月から12月にかけて道内で採取されたウイルスの遺伝情報と、道外で検出されたウイルスの遺伝情報を、国際的なデータベースに登録されたデータも使って詳しく比較した。遺伝情報の細かい違いをみることで、ウイルスがどんなルートで広がっていったかを推定することができる。

 すると、昨年7月から11月にかけて、それまで主流だったのとは違うタイプのウイルスが、少なくとも8回にわたり道外から流入し、それまでのタイプに置き換わる形で広がっていたことがわかった。

 このうち、昨年秋の道内の流行で最も多数を占めたのは、9月末に近畿圏からもたらされたと推定されるウイルスだった。10月以降は東京など首都圏からとみられる流入が相次ぎ、計8回のうち5回は首都圏から入ったと推定された。

 トラベル事業は7月22日に始まり、10月から対象の発着地に東京が加わった。観光庁の統計によると、道内の宿泊客は緊急事態宣言などの影響で春に大きく落ち込んでいたが、9月に近畿圏から道内を訪れた宿泊客は、前年9月の近畿圏からの宿泊客の約6割にまで回復、10月には約8割に戻った。首都圏からの宿泊客も、10月には前年10月の約8割まで回復していた。

 一方、道内の感染者は10月後半ごろから増加し、病院や高齢者施設などでのクラスター(感染者集団)も多発した。「トラベル事業に東京が加わり、北海道への人流がさらに増えるのに伴い、ウイルスの広がりにも拍車がかかったようだ」とチームはみている。

 感染拡大を受け、札幌市は大…

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