ラーメン店軒下の灰皿から30メートル 健康被害の訴え、地裁判決は

森下裕介
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 ラーメン店の軒下に設置された灰皿から流れてくるたばこの煙で健康被害を受けたとして、大阪市の男性が、店舗の運営会社に灰皿の撤去などを求めた訴訟の判決が9日、大阪地裁であった。織川逸平裁判官は、店舗利用者のたばこの煙によって健康被害を受けたとは断定できないとして、男性の訴えを退けた。

 判決によると、男性は2016年、店舗そばのマンション2階に住み始めた。直線距離で30メートルあまり離れた店舗の軒下には、店舗が設置した灰皿があった。

 男性は20年1月、急性受動喫煙症や咽頭(いんとう)炎、気管支炎などの診断を受けた。灰皿から流れてくるたばこの煙が原因だと考え、自室の窓付近でPM2・5(微小粒子状物質)濃度を計測。その結果、ラーメン店の営業時間帯に基準値を超える頻度が高かったとし、運営会社に灰皿の撤去と店先に全面禁煙などの貼り紙を出すことなどを求めていた。

 織川裁判官は、男性宅と灰皿までの距離を踏まえれば「煙が届いたとしても、濃度は相当減っている」と指摘。マンション近くの国道を通る車の排ガスや、男性宅とラーメン店の間にあるコンビニの店先でのたばこの煙の影響を受けた可能性もあるとして、ラーメン店の灰皿と健康被害の因果関係は認められないと結論づけた。(森下裕介)