ホテル発、鉄道旅ゆき 全国へ! 続々進行トレインルーム

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田辺拓也
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 コロナ禍で旅行や出張などの需要が減り打撃を受けるホテル業界。最近、鉄道グッズや電車の運転席などを展示する「トレインルーム」を導入するホテルが相次いでいる。子どもから大人まで幅広く、熱心で根強い鉄道ファンにアピールすることで、需要回復につなげようとの狙いだ。

 グループの鉄道会社から資産を活用できるメリットのある、鉄道系ホテル。京都市下京区の目抜き通りから少し入った路地に構える相模鉄道横浜市)をグループ企業に持つ「相鉄フレッサイン京都四条烏丸」もそのひとつ。

 部屋に入ると「運転席」が目に飛び込んでくる。車両設計図を元に再現した木製のものだが、ブレーキ弁や速度計は、引退した相模鉄道7000系などから取り外した本物だ。運転席から望むモニターには沿線の風景が流れ、室内で運転士の気分が味わえる。

 他にも、客室の扉には現行車両と同じ「ひらくドアにご注意ください」のステッカー。実際に切符を切る時に使っていたハサミや、同系の引退時に車両先頭に付けていたヘッドマークなど、室内にはファンの心をくすぐる80点以上が展示されている。1室の料金は1泊1万2千円からで、最大4人まで宿泊可能だ。

 発案者の自称「元鉄道オタク」の支配人、前田好之さんは「1年半構想をあたためた肝いりのコンセプトルーム。外遊びを自粛するコロナ禍で、鉄道を通じて親子がふれあえる部屋をイメージして準備しました」と話す。

 宿泊者の評判は上々で、かつて運転士を目指していたという男性(50代)は、客室の利用者アンケートに「運転席に座って夢がかなったようだ」と寄せた。子どもの夏休みに訪れた利用者も「コロナで旅行も帰省もできなかったが、親子の楽しい思い出になった」と書いた。

 東急電鉄系の「横浜ベイホテル東急」(横浜市)は4月、東急電鉄8090系に使用されていたハンドルを操作する、本格的な運転シミュレーターを客室に設置した。販売開始から徐々に人気が高まり、満室の月が続いた。当初は8月末で販売終了を予定していたが、好評のため来年3月末まで販売期間を延長した。

 名古屋鉄道系の「名鉄グランドホテル」(名古屋市)も4月から、昨年12月に閉館した名鉄資料館の貴重な鉄道グッズを客室に展示し始めた。名古屋駅を行き交う電車を一望できる客室からの眺めも好評で、こちらも年内の週末は予約でいっぱいという。その他にも、南海電気鉄道系の「フレイザーレジデンス南海大阪」(大阪市)、東武鉄道系の「浅草東武ホテル」(東京都台東区)など数多くのホテルがトレインルームを導入している。

 鉄道ファンを集客の頼りにす…

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