バッハ会長、冬季五輪の米国候補地に「良い感じ」 札幌のライバル
国際オリンピック委員会(IOC)は9日、2030年または34年の冬季五輪・パラリンピック招致を目指している米ソルトレークシティーを高く評価した。30年の大会招致には札幌市なども手を挙げている。
数日前にユタ州や米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)とオンライン会議を開き、好印象を抱いたという。
冒頭だけ参加したというトーマス・バッハ会長は「米国側はすごく一致団結していて、熱気を感じた。とてもいい感じだったと言わざるを得ない。友好的で、充実した話し合いだった」と話した。
来年2月には、冬季五輪が開催される北京で直接会談を設ける予定だ。「今後は、ソルトレークシティーがいつ大会を開催したいと思っているのかを話し合っていくと思う。IOCからのアドバイスも受けたいのかもしれない」
米国オリンピック・パラリンピック委員会のスーザン・ライオンズ会長を含め、米国側はこれまで開催時期を「30年か34年」と表現し、具体的な言及は避けている。28年夏季五輪が同じ米国のロサンゼルスで開催されることもあり、権利関係など越えるべきハードルは高いとみられている。
一方でクリストフ・デュビ五輪統括部長は、ソルトレークシティーに加え札幌市の名前も挙げて称賛した。「将来の候補都市である札幌またはソルトレークシティーは、我々が提示している方針に基づいて進んでいる。本当に素晴らしい」。いずれもコスト削減に取り組み、計画を練り直している点が評価できるという。
札幌市は11月29日に、30年招致に向けた大会概要案を公表した。既存施設を活用し、試算していた開催経費を最大900億円減らし、2800億~3千億円にすると説明している。
札幌市開催について、「(必要な要素をほぼ)全て持っている」と語ったバッハ会長。2大会の開催都市を同時決定した24年パリ、28年ロサンゼルス夏季大会に続き、30年と34年冬季五輪についても、同じタイミングで決める可能性を問われると、肯定も否定もせず満面の笑みを浮かべてこうかわした。
「それは将来の開催都市委員会が判断することだ。私はそこには入れないから」
32年夏季五輪の開催地は、開催まで11年あるにもかかわらず、今年7月、オーストラリアのブリスベンに決定した。来年前半に冬季五輪の開催都市が決まってもおかしくない流れになってきている。(ロンドン=遠田寛生)
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