新型コロナウイルスへの感染が急拡大している韓国で、中高生へのワクチン接種をめぐり「事実上の接種強要だ」と猛反発が起きている。多くが通う学習塾や予備校でも来年2月から、施設内に入る際に接種証明の提示が義務づけられることになったからだ。子育て世代の不満が高まれば3月の大統領選にも影響しかねず、文在寅(ムンジェイン)政権の対応が注目されている。
韓国疾病管理庁によると、10日午前0時までの1日あたりの感染者は7022人で、3日連続で新規感染者が7千人を超えた。オミクロン株への感染も10日までに63人が確認された。
韓国ではワクチンの接種率が70%を超えたため、政府が11月から日常生活を段階的に取り戻す「ウィズコロナ」政策を始めた。飲食店などの営業時間や来客数の制限を大幅に緩め、イベントや集会の開催も条件付きで認めた。だが、保健当局の予想に反して感染が急拡大。わずか1カ月強の間に1日の感染者数が3倍以上になった。
こうした事態を受け、文政権は「ウィズコロナ」の軌道修正を迫られた。ソウル首都圏では6日から私的な集まりが6人までに制限された。一度は緩めた行動制限を再び強化する方針は感染の急拡大を受け、国民にはおおむね受け入れられている。
だが、政府が打ち出したもう一つの新しい対策が思わぬ反発を受けることになった。飲食店など屋内の施設に入る場合に原則、ワクチン接種の証明書「防疫パス」の提示を義務づけたことだ。その対象となる施設に学習塾や予備校も含まれることになったため、受験生を抱える保護者や中高生が「事実上のワクチン接種の強要で、人権侵害だ」と猛反発しているのだ。
防疫パスの提示義務は現在…

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