米大統領、ウクライナ大統領と電話協議 ロシア軍の展開、変化なし

ワシントン=高野遼
[PR]

 ウクライナ国境へのロシア軍増強で緊張が高まっていることを受け、米国のバイデン大統領は9日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話協議をした。米国防総省によると、国境付近には引き続き大規模なロシア軍がとどまっており、予断を許さない状況が続いている。

 バイデン氏は7日、ロシアのプーチン大統領と電話協議して沈静化を求めていた。だが米国防総省のカービー報道官は9日の記者会見で、「引き続きかなりの規模の部隊が存在している。この48時間では大きな変化は見られなかった」と述べた。

 ホワイトハウスによると、バイデン氏は9日、ゼレンスキー氏と約1時間半にわたり協議した。プーチン氏との協議内容を伝え、ウクライナの主権と領土の一体性への支持を改めて明確にしたという。またロシアがウクライナに侵攻した場合、欧州の同盟国とともに強い経済措置をとり、ウクライナに兵器提供などの防衛支援をする方針を伝えた。

 バイデン氏は続いて、ウクライナの近隣国にあたるバルト3国など北大西洋条約機構(NATO)加盟の9カ国の首脳とも電話で協議した。NATOの集団防衛の原則に基づいて、断固とした態度をとることを確認したという。(ワシントン=高野遼)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら

  • commentatorHeader
    佐藤優
    (作家・元外務省主任分析官)
    2021年12月11日22時39分 投稿
    【視点】

     焦点は、バイデン大統領がゼレンスキー大統領に伝えた、「ウクライナの主権と領土の一体性への支持を改めて明確にした」ことの具体的内容です。これが、現在、親ロシア派武装勢力によって実効支配されているルハンスク州(ロシア語ではルガンスク州)の3分

    …続きを読む