6年間一般質問ゼロの町議会、12月定例会も不許可 通告議員は批判

遠山武
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 福岡県大任町議会で、一般質問がこの6年間に一度も行われていない。10日に開会した12月定例会で一般質問の通告があったが、議長が「質問内容に問題があった」として許可せずに見送られた。質問を通告した議員は「議会の役割を果たしていない」と議場で批判。この日に議長が辞職して交代するなど混乱した。

 一般質問を通告していたのは次谷隆澄議員で、副議長も務めている。質問の内容は、地元のニュースサイトに掲載された永原譲二町長についての記事の真偽など。町議会事務局によると、議会規則では、一般質問の内容は「町の一般事務」に関することとされ、「議長の許可」が必要としている。

 丹村咲男議長は「質問内容の一部に問題がある」として次谷氏の質問を許可しなかった一方、「一身上の都合」を理由に8日に議長の辞職願を出した。丹村氏は朝日新聞の取材に対して「体調不良のため」と説明している。

 10日の本会議では、次谷氏が議長席に座って丹村議長の辞職願を報告し、了承された。次谷氏は続いて自身の一般質問が不許可になったことに触れ、「一般質問をさせない議会は異常。議会の役割を果たしていない」と批判。本会議の「流会」を宣言して退場した。

 他の議員は「後任の議長を選出するのが先決で、流会は認められない」と反発し、次谷氏を除く10人で会議を再開。後任の議長を選出して議事を進めた。

 大任町議会では2015年9月議会で2議員が質問に立ったのを最後に一般質問が行われていない。全国町村議会議長会によると、全国調査を集計済みの16~19年に一般質問がゼロだったのは大任町だけで、大任町議会の一般質問ゼロは全国最長となる。

 町幹部は「一問一答の一般質問ではなく、町長も出席する委員会審議の方が活発に議論できる」と話す。これに対し、次谷氏は「町政を担う首長の言動を直接ただすことができるのが一般質問。他の議会のようにやるべきだ」と主張している。(遠山武)