交通渋滞、資金調達、ギャンブル依存 課題に質問相次ぐ

小川直樹
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 長崎県議会総務委員会で10日、県と佐世保市が誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)の区域整備計画の素案を巡り、多くの課題が指摘され、激論が交わされた。

 質疑では、懸念されるギャンブル依存症について、委員から、県民の不安が払拭(ふっしょく)されていないとの指摘があった。これに対し県は、利用者や家族の申請で立ち入りを制限したり、賭け金や滞在時間に上限を設けたりする対策案を示した。ただ、担当者は賭け金の上限など具体的な数字については「まだ設定しておらず、改めて説明したい」と答えるにとどまった。

 質問が集中したのは、IR予定地のハウステンボス周辺の交通渋滞対策だ。ここは渋滞が発生しやすい地域で、田中愛国県議(自民党・県民会議)は「IRができれば、もっと大変なことになる」と訴えた。

 これに対し県は、敷地外の駐車場からシャトルバスを運行したり、JRハウステンボス駅から施設までロープウェーで結んだりすることを検討していると説明。長崎空港大村市)から約30分で結ぶ高速船も就航させるとしたが、委員からは「認識が足りない」との声があがった。

 出資や事業を受託する企業が明らかにされない中、資金調達にも不安の声が相次いだ。県は「出資・協力企業は日に日に増えている」としたが、具体的な企業名の公表は来年の2月議会前に先送りした。(小川直樹)

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 長崎県佐世保市が目指す、カジノを含む統合型リゾート(IR)について、国への誘致申請の中止を求める請願が10日、県議会総務委員会で不採択となった。賛成は坂本浩県議(改革21)だけだった。

 IR誘致に反対する市民団体「ストップ・カジノ!長崎県民ネットワーク」が提案していた。請願では、ギャンブル依存症の発生を前提にしている事業は「行政の施策とは到底言えない」と批判していた。市民団体の篠崎正人共同代表は委員会終了後、「残念。質疑では、県がギャンブル依存症対策費の試算も出来ていない現状も明らかになった」と話した。