ふるさと納税返礼品の牛肉発送を停止 寄付殺到で代替品、基準額超え

大野博
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 宮崎県都農町が「ふるさと納税制度」で格安の牛肉を返礼品として用意したところ、寄付が殺到して当初の取扱業者の手に負えなくなり、町が調達した割高な代替品が「返礼品は寄付額の3割以下」との総務省の基準に違反している状態になっていた。町は返礼品の発送を停止し、1万5千件あまりが未発送となっている。

 10日、町が記者会見を開き発表した。町によると、今年夏、町内の返礼品取扱業者から「宮崎牛赤身肉切り落とし計1・5キログラム以上」という返礼品の提案があった。町は審査を経て採用し、8月19日から寄付の募集を始めた。寄付額1万円につき返礼品の調達費用は2840円で、「3割以下」の基準に合致していた。

 10月13日までに5万9708件の寄付が集まって業者の手に負えなくなり、協議の末、町が返礼品の発送を引き継ぐことになった。業者が予定通りの返礼品を発送したのは2万6108件にとどまり、町が業務を引き継いだケースが3万3600件にのぼった。

 町は別の業者を通じて、品質が高く量が少ない代替品や、同じ量の同等品を確保。だが牛肉の市場価格の高騰もあって、調達費用は6千円~8500円に達した。10月30日から代替品の発送を始めたが、顧問弁護士が「3割以下の基準に抵触するおそれがある」との見解を出したため、12月5日に発送を中止した。

 代替品・同等品を送ったのは1万8384件で、1万5216件については返礼品が未発送となっている。町では今後、寄付者と個別に連絡をとり、町から寄付の返金を受け取るか、3割以下の基準内の別の返礼品を選んでもらう方向で検討している。当初の業者には損害賠償を請求する方針という。

 都農町はふるさと納税制度で2020年度に約82億6800万円の寄付を集め、寄付額は県内で都城市に次いで2位、全国でも5位。河野正和町長は「わが町は本来、範を示さないといけない立場。多くの方々にご迷惑をおかけすることになり、たいへん申し訳ない」と謝罪した。(大野博)