全身緑の「カマキリ先生」、小学生に昆虫授業 正体は74歳の元校長

猪瀬明博
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 カマキリのマスク、緑色のジャージー上下の大人が現れると児童たちの目はもう釘付け。つかみはOKとばかりに始まった特別授業は大成功。「カマキリ先生」こと大熊光治さん(74)が10日、埼玉県加須市立不動岡小学校の3年生を昆虫の世界にいざなった。

 大熊さんは同市の中学校長も務めた理科の先生。およそ50年にわたり収集した、主に昆虫の標本を退職後に整理しており、子どもの知的好奇心を刺激し、地球上にむだな命は一つとして、ないことを考えてもらえないかと思案した。そこで2年前から始めたのが、「こども移動昆虫館」と特別授業。すでに県内外20校ほどで実施した。

 まず特別授業を挟む形で各学年で学ぶ虫の標本を展示する昆虫館を教室を借りて1カ月ほど開く。6学年で一番多くの虫を学ぶ3年生は、授業がどんどん待ち遠しくなってくる。本番はあのいでたちで、手作りの紙芝居に太鼓の鳴り物も。この日も大熊さんが質問を投げかけると、熱心な反応が返ってきた。子どもたちの集中力は途切れることはなかった。

 授業も終盤。正解を続けたのはわずかに3人。最後の質問はホタルがサナギになるかどうか。3人とも「ならない」。大熊さんの解説が始まった。「土中でサナギになるの。だからコンクリートの土手だと、すまなくなるんだね」

 大熊さんが教室を後にしようとすると、「またやってねぇ」と子どもたちから元気な声があがった。(猪瀬明博)