救急車が33分遅れる 職員全員で草刈り中、指令に気づかず 箱根町

黒田陸離
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 箱根町消防本部(神奈川県)の箱根分遣所で8月、職員が出動指令に33分間気づかず、現場への到着が遅れていたことがわかった。搬送された70代男性によると、脳梗塞(のうこうそく)を発症していたが、大きな後遺症はないという。消防本部は男性に、遅れた理由を正しく説明していなかった。

 消防本部によると、8月24日正午、箱根町元箱根のホテルから119番通報で救急要請があった。最寄りの分遣所の救急車は出動中だったため、消防本部は同日午後0時4分、現場から約7キロ離れた箱根分遣所へ出動を指示したが、反応がなかった。当時、同分遣所では4人の職員全員が近くの道路で草刈りをしており、携帯無線や携帯電話の着信が草刈り機の音で聞こえなかったという。消防本部は現場から約17キロ離れた別の分署にも出動指令を出した。

男性には遅れた理由を説明せず

 同37分に職員が携帯電話の着信に気づいて出動し、同53分に現場に到着した。消防本部は通報者に「最寄りの救急隊が出払っている」などと伝えたものの、出動指令に気づかなかったことは男性に説明せず、その後の容体も確認していなかった。

 搬送された男性は現在、職場に復帰している。取材に対して「(救急隊は)病院を一生懸命探してくれた。ただ病院で、あと30分遅れていたら車椅子だったと聞いた。危なかったと思う」と話した。

 消防本部では一昨年から昨年にかけても、名称が似た施設へ出動して到着が数分遅れたことが複数あったという。消防本部は朝日新聞の取材を受け、男性に謝罪する意向を示し「容体によっては死につながる。二度と起こらないように対策を講じたい」と話している。(黒田陸離)