極太麺、かみちぎる喜び ブランドそばの街に根を張るワイルドうどん

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久保田一道
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 うどんには、かみちぎる喜びがある。

 その醍醐(だいご)味を存分に味わえる店が、茨城にある。その名は「元祖西山手打うどん いづみや」。県内に6店舗が点在する。本店は、水戸黄門こと徳川光圀の隠居場所として知られる「西山荘」がある県北部の常陸太田市。市内で麺類と言えば、香り高き「常陸秋そば」が金看板のはず。そばの街になぜ、うどんが根付いたのか。確かめたくて、のれんをくぐった。

 なにはさておき、実食。注文したのは、「冷やしむじなうどん」だ。昨春に水戸に赴任し、職場近くの店舗で食べてとりこになった一品。キュウリや大根おろしに、「たぬき」(天かす)と「きつね」(油揚げ)が同居する。

 最大の魅力は麺の「パンチ」にある。

 少し角張り、がっしり太い見た目そのままの弾力。歯を動かし、ぐいっとかむのが心地よい。山梨県で勤務経験がある同僚も、コシの強さで知られる富士吉田市の「吉田のうどん」に負けない力強さだと証言した。

 武骨な麺に負けないのが、おちょこに入った甘辛いつゆ。丼に注ぎ、まずきつねと一緒に。次はたぬきのサクサク感と。最後は具をかきまぜて一気呵成(かせい)に完食。590円で、この上ない満足感が得られる。

 おっ、仕事で訪れたことを忘れそうになった。店の3代目・冨永基丈さん(52)に話を聞く。まず、麺の力強さの秘訣(ひけつ)。2種類の小麦粉を使い、強力粉を多めに配合してこねる。寝かせる前後に2度足で踏む作業があるそうだ。冨永さんは控えめに、「業務用の一般的な粉。高い粉を使うと、この値段では提供できない」と説明する。

 つゆに使うしょうゆも2種類。近所にある老舗の蔵元「ヨネビシ醬油(しょうゆ)」のコクのあるものと、大手メーカーのものをブレンド。サバとカツオからとっただしと合わせてかけつゆができあがる。冷たい麺には、砂糖を多めに加えているのだという。

「いえ、それは父が勝手に…」

 もう一つ気になるのは、のれ…

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