コンビニ店員らの機転、2千万円以上の詐欺被害防ぐ 水際対策の現場

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飯島啓史
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 なりすまし詐欺(特殊詐欺)の被害が全国的に社会問題となるなか、福島県内では件数、被害額ともに昨年より減少している。その理由の一つが、コンビニや銀行の従業員が詐欺の可能性に気付き、声がけなどして被害を防ぐ「未然防止」の取り組みだ。水際対策に努める現場を訪ね、被害防止への思いなどを探った。(飯島啓史)

 11月中旬の午後3時。川俣町の国道沿いにある「ミニストップ川俣大清水店」に年配の男性が訪れ、20万円分の電子マネーカードをレジに持ってきた。

 「詐欺じゃないか」。高額購入にもかかわらず、電子マネーを買い慣れていない様子の男性に、レジ担当のアルバイト国井ゆき美さん(38)は直感した。

 用途を尋ねると、「パソコンが壊れていて、電子マネーを払えば直してもらえる」。自信なげに話す男性を説得し、警察に通報、被害を防いだ。男性は「パソコンがウイルスに感染している」という詐欺メールを信じ込んでいた。

 同店では8月にも、別の男性が高額の電子マネーを購入しようとした際に従業員が詐欺だと気づいた。

 湯田洋店長(54)は「ご高齢の方が高額商品を購入されるときは、『警察の指導もあってお声がけさせていただいています』と用途を聞くようにしています」と明かす。

 特に電子マネーカードの場所を聞いてきたり、数万円のカードを複数枚買おうとしたりする場合や、ATM操作に不慣れな様子の場合は、特殊詐欺を疑うようにしているという。さらに系列店で起きた被害事例も連絡ノートを使い、従業員間で共有している。「少しでも怪しいと思ったら、積極的に声がけしています」

 同店が特殊詐欺対策に力を入れるのは苦い教訓があるからという。昨年、同店で数万円の電子マネーを購入した客が、だまされていると見抜けなかった。

 湯田店長は「うちはご年配のお得意さまも多い。1件でも被害を防ぐため、ためらわず声をかけていこうと決めました」と語る。

 県警は、特殊詐欺被害を2回も防いだ同店を「なりすまし詐欺未然防止マイスター事業所」に認定。福島署は今月8日、国井さんに感謝状を贈った。

被害を防止した件数が増加、一方で増えた別手口

 こうしたコンビニや銀行によ…

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