岸田首相が公邸に引っ越し、入居は野田元首相以来 危機管理アピール

宮田裕介
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 岸田文雄首相は11日、東京・赤坂の衆院議員宿舎から、首相官邸に隣接する公邸へ引っ越した。首相が公邸に入居するのは民主党政権時代の野田佳彦元首相以来、9年ぶり。災害時などに素早い対応が可能で、危機管理を重視する姿勢もアピールしたい考えだ。

 首相は午前は議員宿舎で過ごした。午後には引っ越し業者が宿舎を出入り。夕方になってネクタイ無しのスーツ姿で入居した。記者団に「久しぶりに引っ越しを行って新鮮な気持ち」とし、「昨今の様々な政治の動き、これからの日本の様々な課題を考えると、新鮮ながらも心の引き締まる思い」と述べた。

 安倍晋三元首相は東京・富ケ谷の自宅、菅義偉前首相は議員宿舎から官邸に通っていた。野党からは首都直下型地震など災害時に、すぐに官邸で危機管理対応できないなどと批判が上がっていた。

 引っ越しの理由について、岸田氏は「公邸に移ることについて、いろんな方がいろんなことを言っておられました。様々な観点から、公務に専念するためにも引っ越すというのは意味があるのかなと考え、決意した」と語った。引っ越しでも「聞く力」を強調した形だ。

 首相周辺は、公邸に住むことで警備や首相への説明がしやすくなる利点を挙げる。ただ、議員宿舎ではほかの議員と内密に会うこともできたが、「公邸だと警備がいるためそれができなくなる」と話す。宮田裕介

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    駒木明義
    (朝日新聞論説委員=ロシア、国際関係)
    2021年12月12日10時27分 投稿

    【視点】現在の首相公邸(首相の住居)は、かつて首相官邸(首相のオフィス)として使われていた建物を移動して改修した建物です。1929年竣工という歴史的建造物で、外界から隔絶された環境にあるため、ちょっと住みたくないという最近の歴代首相の気持ちは分かる