延焼で全焼した駄菓子屋、復活に支援募る 「また笑い合いたい」

和田翔太
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 静岡県沼津市内浦で先月発生した大規模火災で一軒の駄菓子屋が全焼した。地域に愛された「憩いの場」を復活させようと、店主の男性がクラウドファンディングで寄付を募っている。

 火災は先月11日午前2時ごろ、同市内浦重寺地区で発生した。消防などによると、駄菓子屋を含む計8棟が焼けた。けが人はいなかったが、強風にあおられ、近くの漁港の漁船や、周辺の山林にも延焼した。

 全焼した駄菓子屋&バー「とらちゃん」の店主、石津太雅さん(45)は地域おこし協力隊として4年前に高知県から内浦地区に移住した。なにも知らない自分を、地元の人たちは温かく迎えてくれた。石津さんは「地域の人に恩返ししたい」と、2年前に「とらちゃん」をオープンした。

 週末の日中は駄菓子屋、夜はバーとして営業。石津さんは住民から「とらちゃん」の愛称で呼ばれ、週末になると、店内は多くの笑顔であふれた。

午前3時、跳び起きた

 「大変なことになっている」

 あの日の午前3時ごろ、石津さんは常連客からの電話で跳び起きた。強風の影響で、火元から二、三軒隣の石津さんの店まであっという間に延焼。家具や家財はすべて消失し、少しずつ築き上げた「昭和レトロな店舗」は跡形もなく焼けてしまった。

 「これからどうしよう」。火災直後はなにも考えられなかった石津さんを奮い立たせてくれたのは地域の人たちとの絆だった。

 「とらちゃんに何かしてあげたい!」。常連客や地元住民からの励ましの言葉に背中を押されたという石津さん。営業再開を目指しすことを決めた。

 今月6日から始めたクラウドファンディングの目標額は300万円。これまでに約半分が集まった。成功したら全額を再開のために使わせてもらう予定だ。

 石津さんは「できるかできないかじゃない。やるかやらないかだ。頑張る姿を子どもたちに見せて、もう一度皆と笑い合える環境を取り戻したい」と話す。

 クラウドファンディングの募集期間は来年1月14日まで。「レディーフォー」で受け付けている。(和田翔太)