米に大被害の竜巻、12月の異例な暖かさが原因か 気象学者「異例」

ワシントン=合田禄
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 米国に大きな被害をもたらした竜巻は、なぜ発生したのか。

 米国立気象局(NWS)によると、テネシー州メンフィスでは10日、12月10日の最高気温を103年ぶりに更新する約26度を記録。米中部を中心に各地で12月としては記録的な暖かさとなっていた。

 そこに寒冷前線が通過したことで雷雲が発生しやすい状況となり、竜巻も起こりやすい気象条件がそろったとみられる。

 米海洋大気局(NOAA)によると、統計的には米国では竜巻は4~6月に最も多く発生していて、11月から2月は少ない。米民間企業の気象学者は「この時期に竜巻が発生することはあるが、これほどの規模、数の竜巻が報告されるのは少し異例だ」と米紙ニューヨーク・タイムズ電子版にコメントしている。

 地上から9千メートル以上の高さまで物が巻き上げられ、これまでの最も高い記録だとする分析結果もツイッターに投稿されている。

 気候変動との関係ははっきりしていない。米メディアは、高い気温によって竜巻が強まった可能性を指摘しながらも「気候変動が今回の竜巻にどう影響したかを知るには、もう少し時間が必要だ」などとする専門家の見解を報じている。

 NOAAによると、米国では年間平均1250件の竜巻が確認されている。気象庁によると、日本では2007~17年の平均で年間23件(海上竜巻を除く)が確認されていて、国土の広さを考慮しても米国の方が多い。ただ、発生した竜巻のすべてを数えられるわけではないため、正確な数は分かっていない。

 メキシコ湾からの暖かく湿った空気と北極側からの冷たい風がぶつかる米中部では特に竜巻が発生しやすく、「竜巻街道」とも呼ばれている。(ワシントン=合田禄)