郵便局長の局舎取得、一時全面停止 日本郵便が実態調査

藤田知也
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 郵便局が移転する際に、移転先の不動産を郵便局長が取得する手続きを、日本郵便が一時的に全面停止したことがわかった。朝日新聞の調査では、過去3年の移転局舎の約3割を局長とみられる人物が取得していた。自身で不動産を取得するため、地主と日本郵便の直接取引を局長が妨げた例などが報じられたことも踏まえ、同社が実態調査に乗り出した。

 民営化前は、保有局舎が局長職とともに世襲で引き継がれる例も多かった。民営化後、日本郵便は、移転先の物件を局長が取得して同社から賃料を得るのは、地主が同社との直接取引を断るなど「本当にやむを得ない場合」に限っている。利益相反などを防ぐためで、他に候補物件がないかを公募した上で、取得前には取締役会の決議を受けることも条件としている。

 それでも2018~20年に移転した240局のうち91局で公募が実施されていたが、日本郵便のホームページでは今月7日以降、局舎用の不動産物件の公募がゼロになった。同社によると、局長らによる不動産の強引な取得事例を含む朝日新聞の報道も踏まえ、11月から支社などへの聞き取り調査に着手している。調査結果がわかるまで、新たな公募はしないという。

 朝日新聞の調査では、過去3年に公募された91局のうち、少なくとも73局は21年時点の局長と所有者名が一致。局長が地主に日本郵便と直接取引しないように働きかけたり、地主が不動産業者の仲介で面識のない局長に土地を譲ったりした例が明らかになっている。日本郵政増田寛也社長は11月末の記者会見で、「私から日本郵便に、過去の事例も含めてプロセスをよく調べてと言っている」と述べていた。(藤田知也)