停電の避難所にEV車で電気を 神戸市などが派遣要請システム

島脇健史
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 災害で大規模な停電が発生した時、電気自動車(EV)を保有する自動車販売会社に、避難所での電気供給をLINEで依頼する「給電サポーターマッチングシステム」を、神戸市と産官学でつくるAI防災協議会(理事長=防災科学技術研究所・臼田裕一郎総合防災情報センター長)が開発した。市によると全国初の取り組みで、今後はEVを持つ市民にも協力を求めていくという。

 避難所の担当者らがLINEを通じてシステムにEVの派遣を要請すると、AI(人工知能)がこれら複数の要請を自動的に整理。市と災害協定を結ぶトヨタ、日産、三菱系の自動車販売会社に、LINEの通知機能で「○○小学校に行けますか」「出発したら教えてください」などと伝える。

 いまのところ販売会社が兵庫県内のショールームなどに置いているEV計約500台が対象だという。

 市側は各避難所で何台のEVから電気が供給されているか、地図上で確認することもできる。

 今月5日には同市東灘区の魚崎小学校で実証訓練があった。避難所となった同校の体育館が停電したという想定で、EVから携帯電話を充電したほか、体育館の照明に給電した。

 EVを使って照明をつけるには、専用の設備が必要になる。避難所指定の学校でこの設備があるのは現在、同小学校を含めて市内5カ所にとどまるという。

 訓練に参加した久元喜造市長は「阪神・淡路大震災でも電気の確保が課題だった。市教委とも相談して、外部から給電できる学校を増やしていきたい」と話した。(島脇健史)

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