イカゲームに見える「韓国らしさ」 伝統的家族観と社会への抵抗

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構成・川村貴大
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 韓国で制作されたネットフリックス配信ドラマ「イカゲーム」が今年、世界を席巻した。多額の借金を背負った人々が賞金を求めて命がけのゲームに挑む姿を描いた同作から感じる「韓国らしさ」と世界的ヒットの要因について、韓国出身の映画研究者である立教大学教授の李香鎮(イヒャンジン)さんに聞いた。

     ◇

 「イカゲーム」を見て、「これは韓国的だなぁ」と思ったことが二つあります。

 一つ目は、「お母さんに対しては良い息子でありたい」とか、「自分の子どもに対しては良い父でありたい」といった、メロドラマチックな家族関係が描かれている点です。

 この要素は韓国の大衆文化が大切に守ってきた部分です。1987年の民主化以来、比較的短い期間でグローバル化が進んだ韓国社会では、伝統的な家族関係という価値が今なお重視されており、それが大衆文化にも影響を与えています。

 一般的なデスゲームの作品では、ゲームに参加した登場人物のお母さんがどうだとか、そうした家族関係についてはあまり描かれないのが普通です。ところが「イカゲーム」ではそれが丁寧に描かれています。

 「イカゲーム」は、韓国大衆…

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    田中俊之
    (社会学・男性学研究者)
    2021年12月15日11時46分 投稿
    【視点】

    李香鎮先生のおっしゃる『イカゲーム』の「韓国らしさ」で、登場人物が伝統的な家族関係に価値を置いているという点に非常に納得しました。そうした家族関係の中で父親としても息子としても期待にこたえられないところに、主人公であるさえないおじさんのソン