病院から保健所への届け出がなかったことで、東京都内の女性は「新型コロナウイルスの感染者」に数えられないまま亡くなった。病院や保健所の態勢が危機的な状況にあった第5波のピークでのことだった。「死を無駄にしないでほしい」。残された遺族はそう訴える。
夫(53)のスマートフォンには、妻とのLINEのやり取りが残されている。
「ヤバイです」「武蔵村山病院にて2回目の検査したら 陽性との判定もらいました」
8月6日の昼前に届いた。妻は抗原検査を受けた武蔵村山病院(東京都武蔵村山市)で、保健所からの連絡を待つよう言われたこと、家族の部屋は完全に分けるよう指示されたことも記していた。
妻の高熱が続く中、病院からの連絡が保健所に届いていないと、男性は思いもしませんでした。数日後の朝、布団で冷たくなってる妻に触れるまで――。当時のLINEを振り返りながら、この悲劇をたどります。
当時、都内の新規感染者は連…
- 【視点】
新型コロナウィルスの流行の第5波で起きた、非常に残念な事件です。なぜ感染情報が保健所へ届かなかったのか、情報共有の方法に問題がなかったのか、今後の詳細な調査が待たれます。 問題の背景のひとつである保健所の在り方について考えたいと思いま

新型コロナウイルス最新情報
最新ニュースや感染状況、地域別ニュース、予防方法などの生活情報はこちらから。[もっと見る]