M-1ファイナリストに聞く 金髪とメガネ「もも」のハングリー精神

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聞き手・西田理人
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 「まもる。」と「せめる。」の凸凹コンビといえば、「もも」。結成5年目の今年、一気にM-1グランプリ決勝への階段を駆け上った。やわらかな印象のコンビ名とは裏腹に、20代の青年2人はハングリー精神をたぎらせ、頂点へのまっすぐな思いを語る。

もも

金髪にヒゲがトレードマークの「まもる。」(27)=京都府出身と、黒髪メガネ姿の「せめる。」(28)=愛媛県出身が、2017年に結成。吉本興業所属。見た目と性格のギャップを激しく言い合うスタイルを磨き上げ、初の決勝進出を果たした。

 ――これまでのM-1では、3年連続で準々決勝敗退。今年は初めて準決勝に進み、その勢いのままファイナル進出も決めました。

 せめる。 今年は絶対に優勝するつもりで例年以上に多くのネタを作り、単独ライブも開いて準備してきたんです。舞台衣装にもそれなりのお金をかけて、このスリーピースのスーツを新たに仕立ててもらいました。

 まもる。 もちろんファイナリストとして名前を呼ばれたときはうれしかった。でも、ここからが勝負。準決勝通過が決まると、すぐに舞台の出番を増やしてもらい、翌日は1日6ステージに立ちました。

 せめる。 今までそんなに多く舞台に立つ機会がなかったので、その日は終盤に声が飛んでしまったんですけどね(笑)。

「まもる。」と「せめる。」の由来は

 ――2人はどうしてコンビを組むことに?

 せめる。 前のコンビを解散した後、お笑いがしんどくなって、しばらくバイトばかりしていたんです。そんなときに紹介されたのが、当時ピンで活動していた相方でした。月1回のユニット活動から始めて、やがて正式にコンビを組むことに。コンビ名の「もも」は、果物の桃と同じイントネーションです。

 ――2人の芸名も面白いですよね。

 まもる。 僕は本名を河原将士と言うんですが、実は「まもる」と名付けたかったと親から聞いて、この芸名に。ただこの3文字だと字画が良くないので句点を付けました。その後、コンビで攻守にしたら面白そうということで相方も「せめる。」に改名しました。

 せめる。 僕も句点を付けてますが、字画が良くないんですよ。本名の秋吉拓郎のままの方が、縁起は良かった。

 ――それぞれの性格について、「おまえ、○○顔やろ」と風貌とのギャップを激しくなじり合うスタイルは、いつ生まれたのですか。

 せめる。 コンビ結成2年目の2018年2月です。当時、僕たちはオーディションライブで長らく最下位が続き、自分たちのスタイルを模索していました。そんなときに他のコンビが嫌いなものをテーマに漫才をしているのを見て、僕が「アニメが嫌い」と言ったら、相方が「それはおもろい」と。そこから見た目とのギャップを笑いにしてみようということになりました。

 まもる。 その夜は2人で焼き肉を食べに行って、「これで俺たち売れるぞ」と言い合ってましたね。

 せめる。 その後、毎年改造を重ねて、今では同じフォーマットでしゃべくり型からコント風まで色々な形を試せるようになりました。

ネタ合わせは365日「同期に負けたくない」

 ――テンポや構成など、ネタの完成度の高さを評価する声も聞かれます。

 まもる。 ネタ合わせは36…

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