「助けて!」工場から動画配信、屋根も電柱も跡形なく 被災地ルポ

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メイフィールド=中井大助、ニューヨーク=藤原学思 ワシントン=合田禄
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 米国の中西部と南部で10日夜から11日にかけて多数発生した竜巻は、広範囲に大きな爪痕を残した。最も大きな被害を受けたとみられるケンタッキー州のベシア知事は13日、生後5カ月から86歳の64人が死亡し、105人が安否不明だと明らかにした。他に4州で14人の死亡が確認され、過去10年間で最悪の人的被害になるとみられる。

 ベシア氏によると、220マイル(約354キロ)にわたって地上を移動した「米史上最長の竜巻」が発生し、そこにさらに三つの竜巻が合わさった。倒壊した家屋は1千棟以上になり、数千人が自宅を失った。13日午前時点で3万戸が停電しているという。

 ケンタッキー州以外で、これまでに確認された死者はイリノイ州で6人、テネシー州で4人、アーカンソー州で2人、ミズーリ州で2人。ABCによると、南部から中西部の8州で、少なくとも34の竜巻が確認されたという。

 「ここに32年間住んできたが、こんな経験は初めて」。ケンタッキー州メイフィールドのキンバリー・ドーランさん(60)は12日、大破した自宅前で話した。

 10日夜、テレビのニュースで次第に嵐が近づいていると知っていた。しかし、自宅には避難できるような地下室がない。寝室の奥にある、クローゼットのような小部屋に、妊娠中の娘や孫と一緒に入った。

 娘たちを守ろうと、ドーランさんはドアが開かないように背中を押しつけた。「次第に家が揺れ始めて、背中にも何かが当たる感触がした」

 竜巻は1分ほどで過ぎて行った。ドーランさんは「背中に何か刺さって死ぬかもしれない」と覚悟したが、無事だった。小部屋から出ると、寝室の壁と天井はなくなっていた。

 「大切に保管していた思い出の品がたくさんある。少しでも救えれば」。自宅から運び出したたんすを開きながら、ドーランさんは語った。(メイフィールド=中井大助、ニューヨーク=藤原学思

■記録的竜巻 変わり果てた街…

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