リンゴ日報創業者に4度目の実刑判決 天安門事件の追悼集会「扇動」

香港=奥寺淳
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 香港の裁判所は13日、昨年6月に無許可で開かれた天安門事件の追悼集会に他人を扇動した罪で、中国共産党に批判的で廃刊に追い込まれたリンゴ日報創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏に対し、禁錮1年1カ月の実刑判決を言い渡した。

 黎氏が民主運動に絡んで実刑判決を受けるのは4件目。今回の案件はこれまでの無許可デモに参加するなどした罪に算入され、黎氏の刑期は計1年8カ月のままとなる。一連の民主派に対する裁判は政府が指名した裁判官が担当しており、当局が許可しない集会参加に対する異例の厳しい判断が続いている。

 香港では毎年6月4日に天安門事件の犠牲者を追悼する集会が開かれてきたが、昨年は新型コロナウイルス感染防止を理由に当局が許可しなかった。

 黎氏は罪を認めておらず、判決を前に自筆の手紙を提出。「ビクトリア公園での追悼集会には参加していない。31年前に(犠牲になった)若い男女のことを世界が思い起こすよう、記者の前でろうそくに火をともした」と記した。香港メディアによると、黎氏の弁護士も裁判で、黎氏は公園には入らず、スローガンも叫んでいないと主張した。

 しかし、裁判官は黎氏側の主張を認めなかった。黎氏のほか、民主運動を支えてきた団体「香港市民支援愛国民主運動連合会」(支連会、解散)の当時の李卓人主席や鄒幸彤副主席、民主党元主席ら7人に対し、禁錮4月半~1年2カ月の実刑判決を言い渡した。(香港=奥寺淳

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    倉田明子
    (東京外国語大学総合国際学研究院准教授)
    2021年12月14日9時9分 投稿

    【視点】今回の裁判も、長年香港の民主化運動を支えてきた団体の幹部や個人を中心に、著名な民主活動家が裁かれた案件でした。 2020年6月に行われた追悼集会についてなので、国家安全法の対象ではなく、罪に問われた根拠もコロナ対策としての集会禁止令に反し