第4回志ん朝の文章、読むだけでリズムが脳内に 落語小説書く作家の気づき

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聞き手・井上秀樹
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 落語界でライバルと目された没後20年の古今亭志ん朝と、没後10年の立川談志は、ともに若手の頃から人気を博し、いまでも本やCDが売れています。

 名古屋在住の作家、奥山景布子(きょうこ)さんは2000年代半ばからの落語ブームの頃に落語を聞き始めたそうです。立川談志は「面白いことを言う人」、古今亭志ん朝は「妙にはまった時代劇俳優」と、お茶の間目線でとらえます。

作家・奥山景布子さん

 この十五、六年ですね、落語をよく聴くようになったの。小説家になったときなんですね。読書が勉強になって、趣味ではなくなってしまったんですよ。新しい刺激がほしいって思ったときに、夫が「落語行かない?」。行ったらはまっちゃった。人から話聞くのがこんなに面白かったかと。

 ――いわゆる「落語ブーム」が始まった時期です。

 そのころに、名古屋で落語会が増え始めたんです。タイミングがとっても良くって。最初のころ、すごい印象に残ってるのがSWA(創作話芸アソシエーション)だったんです。当時の名古屋の丸善さんのビルの中で時々落語会をされてたんですね。そこで、SWAのメンバー(林家彦いち、三遊亭白鳥、春風亭昇太柳家喬太郎)が4人でいらっしゃったことがあって。それがものすごい刺激的でした。あんな面白いんだって感じで、しかも4人それぞれ全然違う方向なんで、それ以来ですかね。

 ――立川談志は現役時代に聴きましたか。

 いちおう、生で見たことはあるんですけども、きちんと一席をしてくださるところにはなかなか出合えなかったかなあ。(様々な噺〈はなし〉をつないで演じる)「落語チャンチャカチャン」とかやってらっしゃったような。他の落語家さんと一緒にいらっしゃって、にぎわしてる雰囲気でしたね。

談志を後から聴いて、「もっと早く出会っていれば」という奥山景布子さん。ご自身の小説の落語のシーンを描くときに、かっこいい人として志ん朝のことを思う、と語ります。

 とにかく影響力がすごい強い…

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