まるで現代アート? 京都の町にぬくもりを届けに、今日も走ります

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筋野健太
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 冬の京都の町に幻想的に光る、まるで現代アートのようなデザインの車が出没中だ。この軽トラック、焼き芋を販売する「移動する竹村商店」。寒さがこたえる京都の町に、ぬくもりを運んで今日も走る。

 「おいもー、おいもー、石焼き芋ー」

 スピーカーからの呼びかけや目立つ外観で気づいた人たちが、車を追いかけて次々にやってくる。

 「輝くクリスタルパレスがやって来たぜ」。京都市右京区西院の町工場やマンションが立ち並ぶエリアを走っていると、常連客の三宅智恵さん(49)が近くの会社から飛び出してきた。店主の竹村知紘(ともひろ)さん(30)とは開業した5年前からの付き合いで、不定期で近くにやってくる焼き芋の甘く温かな味わいと竹村さんとの会話を楽しみにしているという。

 大津市出身で、実家が理容店の竹村さん。京都市内の京都産業大学に在学中から、地域の人たちとつながった小さな商いをしたいと思っていた。シェアハウスに住んでいた時、同居人の友人の祖父が長年営業してきた焼き芋の屋台を閉めると聞き、弟子入りすることに。

 理容店のようにお客さんとの距離が近く、年齢や性別に関係なく幅広い人たちに人気があり、スピーカーからの声を聞いて人が集まるアナログな面にどんどん面白みを感じていった。芋の焼き方や車の流し方など屋台の経営を一通り覚えて引き継いだが、昔ながらの形を残す一方、インパクトのある屋台にしたいと思い、知り合いの建築施工会社「404号室」に荷台の改造を依頼した。

 屋台のちょうちんのぼんやりとしたあかりをイメージし、走る時の空気抵抗や芋の出し入れのしやすさ、収納などの機能面を考えてもらったところ、自然と自動車やボートなどに使われるFRP(繊維強化プラスチック)と木を使った格好いい形に仕上がったという。

 5年前の開業以来、10月か…

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