本田宗一郎さんに謝りたい 33年見守った記者からホンダF1へ

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田村隆昭
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 まずは創業者の本田宗一郎さん(1906~91)に謝りたい。

 自動車のF1世界選手権の2021年最終戦、アブダビ・グランプリ。レッドブル・ホンダに乗るマックス・フェルスタッペン(24)=オランダ=が最終ラップでトップに立つまで、30年ぶりの王座奪還はない、と思い込んでいたからだ。

 今季中盤までは破竹の勢いで勝ち進んだが、終盤は過去7年間王座を独占し続けるメルセデスが猛追。特に直近の3戦は毎レース後塵(こうじん)を拝し、王座奪還は難しいとの見方もあった。

 迎えた最終戦の最終盤まで、同じ展開が続いた。ところが他車が事故を起こす。各車が隊列を整える間に一か八かでタイヤを変えたレッドブル・ホンダ。それに対して古いタイヤのままコースにとどまったメルセデス。レースが再開された最終周にトップのメルセデスを抜き去った。

高度経済成長期の「冒険譚」

 フェルスタッペンはレース後、「今日はジェットコースターに乗っているようで、最終周まで勝機があまり見えないレースだったが、『最後まで持てる力を出し切るのみだ』と言い聞かせ、実際にそれができたと思う」とのコメントを発表。創業者が好んだチャレンジ精神が、最後に実を結んだ。33シーズン観戦し続けた記者も予測しなかった、劇的な幕切れだった。

 ホンダのF1挑戦は今回が4…

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