• アピタル

さいたま市内の新病院整備、順大が近く計画変更提示

上田雅文
[PR]

 さいたま市内への順天堂大学医学部付属病院の誘致について、大学側が近く整備計画の変更を埼玉県に提示する。本格的に動き出した2015年春から6年半余り。この間、大学側と県の間で整備条件の折り合いがつかないまま、当初予定していた開院時期までも過ぎた。整備計画の変更が示される見通しが立ったことで、病院誘致が動き出しそうだ。

 新病院の建設予定地は、埼玉高速鉄道の浦和美園駅から北へ約1キロ離れた場所で、さいたま市緑区岩槻区にまたがる約7・3ヘクタール。「整備予定地」と書かれた看板と塀に囲まれ、このうち県が約3ヘクタール、市が約4・3ヘクタールを確保している。

 病院誘致をめぐり、県が整備計画を公表したのは15年3月。名称は、「順天堂大学医学部付属埼玉国際先進医療センター(仮称)」。当初の計画によると、救命救急センターや小児救急、周産期医療、がんの高度先進治療などの機能を持ち、800床を設置。医師250人、看護師900人らが従事し、大学院の併設を盛り込んでいる。県内の慢性的な医療人材不足を解消し、県北部などの医師が足りない地域を手当てする狙いがあった。

 一方で、大学側は土地利用などで要望を出した。主な内容は、用地の無償貸与や規制緩和▽用地を流れる川を渡る通路の設置▽建設や機器整備に必要な費用の半額補助▽開院までに埼玉スタジアム周辺に新駅設置など。

 計画を加速させるため、県、さいたま市は補助金や用地の無償貸与に向けて準備し、18年3月までに着工し、20年度の開院を目指していた。しかし、用地取得の手続きなどに時間がかかったほか、これらの要望を満たすのが難しいため、県は17年に、予定通りの着工は困難と判断。今も足踏み状態が続いている。

 ただ、県内の医師会関係者の中には「医療体制の充実のためにも一日も早く開院を」との声が根強くある。別の関係者によると、大学側は今年に入り、病床数の縮小を模索するなど、整備計画の変更を検討してきたという。

 新病院は、基本・実施設計に約2年、着工から完成までに2~3年かかるとされる。当初の整備計画をまとめた状況と異なるコロナ禍にあって、早期の病院整備を望む声が高まる可能性もある。県によると、大学側は年内にも、整備計画の変更を県に提示するという。(上田雅文)

順天堂大の新病院整備を巡る経緯

2014年ごろ 県が総合病院誘致に複数の病院と交渉

15年1月 順天堂大が医学部付属病院を新設する方針を県に伝達

  3月 県医療審議会が800床ある新病院の整備計画を採用。県はさいたま市内で20年度に開院する新病院の整備を公表。工事着工は18年3月予定

17年2月 上田清司知事(当時)が県議会で予定通りの工事着工は難しいと答弁

18年3月 県医療審議会が整備計画の変更を承認