野菜の価格に異変、「カレーより鍋」の冬 コンビニおでん減の影響も

今泉奏
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 野菜の価格に「異変」が起きている。白菜や大根、キャベツが平年より安値となっている一方で、ジャガイモやタマネギは高騰している。背景には今夏の気候やコロナ禍の影響があるという。

 10日午後、名古屋市中区の大須商店街にあるスーパー「サノヤ」は、買い物客でにぎわっていた。赤字で「99円」と書かれた札がつけられた白菜や大根、キャベツは、次々と買い物かごに入れられていく。青果担当の永田善夫さんは「旬を迎えて安く、質もよくなっている」と話す。

 店の奥に進むと「199円」の値札がついたジャガイモとタマネギが積まれていた。どちらも北海道産で、平年は半額でもおかしくない。値段を抑えるため、タマネギは通常の5個入りから3個入りに。手に取りやすいようにしたが、客の反応は厳しく「カレーよりも鍋ですかね……」。

ジャガイモ、タマネギは2倍超に高騰

 名古屋市中央卸売市場では「異変」が鮮明だ。12月初旬の野菜の平均単価は、コロナ禍前の2019年と比べて、白菜や大根、キャベツ、レタスが2~3割程度安い。対照的なのがジャガイモやタマネギで、19年比で2倍以上高くなった。

 市場で青果卸業を営むセントライ青果(愛知県豊山町)の中村和正さん(65)は「夏から秋にかけての気候の影響が大きい」と指摘する。

 北海道では夏の雨が少なく、ジャガイモやタマネギが十分に育たなかった。大玉サイズが減り、全体の収穫量も落ち込み、高値につながっている。さらに燃料費が高騰し、輸入品を運ぶコンテナ船も不足。米国産なども届きにくい状況だ。

 全国的に台風の影響が少なかったことから、葉もの野菜は豊作傾向だ。

 JA愛知中央会の担当者は「夏の長雨の影響も響いている」と話す。今夏は長雨で植え付けができる期間が限定された。結果として、本来ならば少しずつずらして収穫できるはずの野菜が一気に収穫期を迎えている。「同時にたくさんの野菜がとれることも価格が下がる要因でしょう」

異変は「冬を通して続く」

 コロナ禍の影響もにじむ。飲食店向けの需要が戻りきらず、供給過多ぎみだ。

 コンビニでは、感染対策としてレジ横の鍋で「おでん」を売る店が激減。主役となる大根の需要減の一因にもなっている。ローソンの担当者は「コロナ禍前の19年冬は、ほぼ全ての店で鍋でおでんを販売していたが、今は4割程度だ」と明かす。他のコンビニでも販売をやめる店が多く、需要回復は難しい状況だ。

 今後について、中村さんは「一時的に需要が高まる年末年始には値上がりするが、それ以降は冬を通して同じような状況が続きそうだ」と語る。(今泉奏)