M-1ファイナリストに聞く 疾走するインディアンス「ふざけ倒す」

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聞き手・西田理人
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 開始1秒からアクセル全開。実力派の関西人コンビ「インディアンス」の漫才は、ドライブ感に満ちている。田渕章裕のたたみかけるボケを、きむが巧みな間合いで打ち返しながら、会場を笑いの渦へと変えていく。3年連続となった決勝の舞台で、王座に輝けるか。

インディアンス

怒濤の勢いでボケ倒す田渕章裕(36)=兵庫県出身=と、間の合ったツッコミが持ち味のきむ(33)=大阪府出身=が、2010年に結成。吉本興業所属。19年に初めてM-1決勝に進むと、翌20年も敗者復活戦を勝ち上がって再び決勝に進出した。

 ――今年もファイナリストに名を連ねることになりました。

 田渕 M-1決勝の舞台って魅惑の場所なんですよね。たくさんの人に知ってもらえるし、マイクの前に立つとテンションが一段上乗せされる感じ。ずっと憧れの舞台でしたが、出るたびにこの場所がますます好きになります。ここまで勝ち進むのは本当に大変なので、また来られてめっちゃうれしい。

肌で感じたM-1決勝の難しさ

 ――昨年のファイナリストが敗退するなど、今年の準決勝は「波乱」とも言われる展開でした。

 田渕 常連と呼ばれる人たちがいるのがM-1ですが、一方で決勝のメンバーがこうして入れ替わっていくのもM-1。改めて厳しい大会やなと思いますね。

 ――きむさんは、決勝進出者が発表された時に目元が潤んでいました。

 きむ 今年は泣かないと思っていたんですよ。今までは決勝進出で万々歳という気持ちもありましたが、今年ははっきり優勝を目標にやってきましたから。通過点やと思っていましたが、やっぱりほっとするというか。初めて行けた時は人生で一番うれしいんやろうなと思っていたけど、今回はそれを超えるくらいうれしかった。すごいですね、M-1という場所は。

 ――過去2回の決勝では苦い経験もしました。

 田渕 全国に生放送されるし、どうしても色気や欲が出てしまう。「視聴者や審査員の方にも、おもろいって思われたい」と。そうすると、なかなか普段の劇場のようには振る舞えない。それがこの2年、肌で感じた難しさです。

 きむ 一昨年と昨年は、自分たちが雰囲気にのまれて、普段通りの漫才ができなかった。今年は余計なことは考えず、目の前のお客さんをたっぷり笑かすことだけを考えて、たぶっちゃんと楽しく漫才をしたいと思っています。

 ――今年の準決勝では、登場した瞬間から会場がわきあがり、お祭りのような4分間でした。

 田渕 今年の僕らは、ある意…

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