危機の時代の私たち、「生命の網」への感謝を 森田真生さん寄稿

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 コロナ禍の収束を各国が模索し、地球温暖化をめぐる世界規模の議論がゆっくりとでも歩を進めた1年が、終わろうとしています。「数学の演奏会」などユニークなライブ活動で知られる独立研究者の森田真生(まさお)さんは、私たちが直面する様々な危機に際して「不気味さに蓋(ふた)をするのではなく、不気味さを直視しながら」、新しい時代のエコロジーを育んでいくことが大切だと語ります。必要な視座とは何か。子育ての日常や友人たちとの対話をふまえ、寄稿していただきました。

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 先月の半ば、皆既月食に近い部分月食を京都でも見ることができた。僕はこの日の夕方、仕事場から自宅に向かって北に自転車を走らせていた。すると、東西を横切るどの小さな道でも、ほぼ例外なく誰かが東の空を見上げていた。僕も息子たちに早く知らせたいと、いつもより速く自転車をこいだ。

 月は、昼夜の温度変化が激しい。赤道付近の観測では、月の夜は氷点下一七〇度まで下がるという。太陽から月に届く光を、地球が一時的に遮っているいま、月の表面では急激に温度が下がっているに違いないと思った。

 地球が月のように極端に寒く…

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