第1回「中国は理解してない…」人権問題、海部氏とブッシュ氏が語った悩み

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編集委員・藤田直央

30年経った極秘記録などが毎年公開される戦後の外交文書。今年は冷戦終結直後から湾岸戦争前夜までの文書が公開されました。激動期の日本外交を連載でお伝えします。

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 中国が民主化運動を武力弾圧した天安門事件の翌1990年、関係修復を探る米国のブッシュ(父)大統領と海部俊樹首相のやり取りが、22日に公開された外交文書で明らかになった。いかに共産党政権の行方を見定め、人権問題で改善を促すか。今に通じる悩ましさが浮き彫りとなっている。

 90年3月、米西部の保養地パームスプリングスで行われた日米首脳会談の際の夕食会。極秘指定を解かれた記録によると、中国をめぐる話はこう始まった。

【特集】外交文書は語る

30年が経過した外交文書は原則公開対象になります。外務省は、特に国民の関心が高い記録については、外部有識者が参加する公開推進委員会で審査し、毎年末、一括して公開しています。朝日新聞の専門記者らが、これらの文書を徹底して読み込み、取材や分析を加え、日本外交史の真相に迫ります。

 ブッシュ氏 中国とコンタクトを維持しつつ変革を促すのが自分の基本政策だが、先行きを心配している。日米で足並みをそろえることが重要だ。

 海部氏 我が国は、中国の孤…

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    峯村健司
    (元・朝日新聞編集委員)
    2021年12月22日14時9分 投稿

    【視点】 興味深い日本の外交文書が公開されました。天安門事件翌年の日米首脳会談での中国を巡るやりとりからは、対中政策を巡る両首脳間の戦略目標や認識のあいまいさやずれが生じていた事実が浮かび上がりました。  両首脳ともポスト鄧小平世代については、「