18歳鍵山優真、父とめざす五輪へ 「どこまで戦えるか興味がある」
初めての五輪をかけた決戦が迫る。
「すごく、緊張しますね」
14日、愛知県豊田市の中京大学のスケートリンクで練習を終えた鍵山優真は、近づく全日本選手権への思いを正直に語った。
中学2年生だった4年前の全日本は観客席にいた。
「オリンピックに対する皆さんの気合をすごく感じた。今度は自分が体験しないといけない」
あの張り詰めた空気のリンクで、目指すことはシンプルだ。
「優勝して、確実に、出場権を得たい」
“五輪”を知る最も身近な存在はコーチで父の正和さん(50)だ。1992年のアルベールビル、94年のリレハンメルに出場した。当時の動画を見たことはあるが、五輪について、細かく話を聞いたことはない。
記憶に残る最初の五輪は2014年のソチだ。羽生結弦が日本男子初の金メダルに輝いた。18年の平昌は羽生が五輪連覇、宇野昌磨が銀メダルを獲得する姿をテレビで見つめた。
「すごいなと、感動した。こういう舞台で滑りたいと思っていたけど、まだ遠い遠い存在で、『いつか滑れたらいいな』くらいしか思っていなかった」
手が届くところまで近づいてきたのは19年だ。
全日本ジュニア選手権で優勝して出場した全日本選手権で3位。20年の四大陸選手権で3位に入ると、今年3月の世界選手権では銀メダル。一躍、世界のトップを争う存在になった。
「『一気にきた』という感じ。4回転(トーループとサルコー)の安定感が自分でもびっくりするくらいに上がった」
しかし、突然変わった立場に、心が追いつかなかった。
今季の序盤はスケート人生で味わったことのないほどのどん底だったという。8月のげんさんサマーカップ、10月の関東選手権はジャンプが乱れた。
「ひどかった。五輪があるので、落ち込んではいられないと思ったけど、ふとしたときに、これで本当にうまくいくのかと思った。練習ではいいのに、去年と違って本番でうまくいくことがすごく少なくなった」
その理由は自分でわかっていた。
「去年よりいい成績を出さなきゃとか、新しい4回転を早くやらなきゃとか、すごい焦りがあった」
正和さんも、息子の変化を感じていた。
「子どもではないし、大人に…
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