統計データ書き換えに「改善」強調 岸田首相、思いめぐらす審議日程
岡戸佑樹 西村圭史 田中恭太 江口悟 若井琢水 古賀大己
国の基幹統計のデータを国土交通省が無断で書き換えた問題の発覚後、初の国会論戦が開かれた。岸田文雄首相は書き換えを認める一方で、事態が「改善」していることを強調した。ただ、過去の書き換えによって国内総生産(GDP)の修正を迫られる可能性があり、どこまで影響が広がるかは未知数だ。
「再発防止に努めなければならないのは当然のことだと思う」。15日の衆院予算委員会で、「建設工事受注動態統計」の書き換えについて問われた岸田文雄首相は神妙な表情で答えた。
この統計をめぐっては、業者から提出された受注実績のデータを国土交通省が無断で書き換えていたと朝日新聞が15日に報じた。書き換えは遅くとも2010年代前半から始まり、13年4月からは「二重計上」も始まっていた。
首相に先立ち答弁した斉藤鉄夫・国土交通相は「過去に集計の過程で、事業者から期限を過ぎて提出された過去分の情報を当月分に含めて集計していたことは事実」と認め、「おわび申し上げる」と謝罪。首相も「大変遺憾なこと」と陳謝した。
一方で、両氏は、書き換えがすでに「改善」されていると口をそろえた。
統計データ書き換えは「改善されている」と強調する岸田首相。背景には、ある思惑が浮かび上がります。
首相は、会計検査院からの指…