雨は雪へと変わらない? 気象専門家が見るホワイトクリスマスの未来
気候変動(地球温暖化)の影響が、クリスマスにも及んできそうだ。このまま地球全体の気温が上昇していくと、冬の雨は雪に変わらず、ロマンチックな「ホワイトクリスマス」も、幻になってしまうのだろうか。「2050年の天気予報」を監修したことがある気象庁気象研究所の川瀬宏明・主任研究官に将来の予測を聞いた。
――世界気象機関(WMO)の依頼で14年に作られた、日本の「2050年の天気予報」を監修されたそうですね
国立環境研究所や気象研究所が相談を受け、なるべく現実に近いものにしたいと考えて監修しました。残暑や台風の予想をテーマにしましたが、これは13年9月に実際にあった天気をベースにしています。
残暑や台風は現在も将来も同じように起きる可能性がありますが、将来は温暖化で平均気温が上がります。いまの天気が50年にあったらどうなるかと予測しました。
では、どのくらい気温が上がるのか、14年に完成した気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書(AR5)で、最も気温が上がる「RCP8・5」というシナリオで考えました。
過去のある年の気温に、日本付近で予測される気温上昇分を上乗せしました。産業革命前の1850~1900年の平均気温に比べ、2050年には約2・5度上がるという予測です。
これは、最新のIPCC第6次評価報告書(AR6)で示された二酸化炭素の排出が続くシナリオ「SSP5―8・5」に基づいても、大きくは変わらないでしょう。
――「クリスマスのころには…