コロナ禍の新宿に希望ともす Jリーグめざすクリアソン新宿の快進撃

有料会員記事

稲垣康介
[PR]

 「サッカーを通じて感動を創造し、人々の結び目になる」。そんな大志を掲げ、東京都新宿区を拠点とするサッカークラブ、クリアソン新宿が夢への一歩に王手をかけた。18日、FC刈谷(愛知)との入れ替え戦に勝てば、アマチュア最高峰の日本フットボールリーグ(JFL)昇格が決まる。歌舞伎町などの繁華街を抱え、コロナ禍では「夜の街」のレッテルを貼られた街に、明るい話題をもたらす快進撃だ。

 東京23区内に本拠を持つクラブとして、Jリーグ入りをめざすクリアソンは「新宿」にこだわる。

 2005年、大学のサッカーサークルを通じて知り合った仲間で創設した。丸山和大(かずとも)代表(37)はサッカーの魅力を「他者との違いを認め、自らの強みを組織の力に変え、仲間と支え合うこと」と語る。人口約34万人の約1割の3万人余が外国籍で、歌舞伎町、神楽坂新大久保など多様性にあふれた街の特性と重なる。それがホームスタジアムの確保が難しい人口密集地を本拠に構える理由だ。今年2月、Jリーグ参入の前提となる「百年構想クラブ」に認められた。

 丸山代表の理念に共鳴し、岡本達也選手(35)、井筒陸也選手(27)ら元Jリーガーが加わった。ただし、プロ契約はゼロ。選手は学生向けの人材育成研修の講師などフルタイムで仕事をしながら、午後6時から2時間、地元の落合中央公園で練習に励む。

 昨年11月には地域の活性化などを期待され、新宿区と包括連携協定を結んだ。吉住健一区長は「クリアソンは地域密着を実践し、コロナ禍ではクラウドファンディングで地元の飲食店の支援に取り組んでいただいた」と感謝する。割引券の特典などで115万円を集め、選手も店巡り企画のルポを発信し、応援した。運動不足になっていたブラジルネパール、中国、フランスなど多国籍の子ども向けに「グローバルカップ」を開催したり、ブラインドサッカーの体験会を催したり。「人々の結び目に」の理念通り、活動の幅はピッチの中にとどまらない。

 09年の東京都リーグ4部か…

この記事は有料会員記事です。残り599文字有料会員になると続きをお読みいただけます。