聞けば「なるほど」 朝日新聞ポッドキャストがABCラジオとコラボ

仲程雄平
[PR]

 地上波のラジオと、インターネットで配信されるポッドキャストのコラボが進んでいる。ABCラジオ「征平(しょうへい)・吉弥の土曜も全開!!」(毎週土曜日午前10時)もその一つ。10月から「朝日新聞ポッドキャスト」で配信された話題を紹介するコーナーを始めた。

 土曜日の午前11時過ぎ、フリーアナウンサーの桑原征平さんと落語家桂吉弥さんのタイトルコールで10分ほどのコーナーが始まる。

「朝日新聞ポッドキャスト ニュースの現場から」で配信されている「土曜も全開」。2人の軽妙なトークが、朝日新聞のニュースに切り込みます。

Apple Podcasts や Spotify ではポッドキャストを毎日配信中。音声プレーヤー右上にある「i」の右のボタン(購読)でリンクが表示されます。

 「もっと! ハッと! ポッドキャスト」

 生放送のスタジオを訪ねると、ポッドキャストを入り口に、2人の軽妙なトークが展開されていた。政治・経済などの時事ネタから文化、芸能、食に関する話題に至るまで、朝日新聞ポッドキャストで配信されたエピソードを、朝日新聞側の解説者を交えてラジオで届ける。

 企画を持ち込んだのは、元々朝日新聞ポッドキャストのヘビーリスナーだったという、同番組の戸谷公一プロデューサーだ。

 「(ABCラジオでは)過去にはない初めての企画。男同士の井戸端会議のような番組だから、関心事を深く取材した人の話が聞きたかった」

 朝日新聞ポッドキャストは、取材した記者本人が出演し、書ききれなかった裏話を聞けるのが特徴だ。「ApplePodcast」や「Spotify」などの音声配信プラットホームで昨年8月から毎日無料で配信し、「朝日新聞ポッドキャスト」とネットで検索すれば、スマートフォンなどで聞くことができる。今年10月に累計1千万ダウンロード(DL)を突破。現在、月間DL数は200万近くに達している。

 スタジオを訪ねた11日に取りあげたのは、10月に96歳で亡くなった前広島県原爆被害者団体協議会理事長の坪井直(すなお)さんについて。坪井さんが結婚する際に「被爆者は早死にする」と相手方の両親に反対されたという話を、核と人類取材センターの武田肇記者が解説した音声が流された。

 朝日新聞大阪本社の塩谷祐一・編集局長補佐が生放送で案内すると、征平さんは「一番、理解があるはずの広島でもそう思われていたんや」と慨嘆。吉弥さんも「小学校のときの修学旅行で広島に行った。そこで勉強したことは大きい」と振り返った。

 77歳の征平さんはパソコンも使えないというが、「毎日、1時間半かけて新聞を読んでいるけど、ポッドキャストには紙面に出ない裏話があって『なるほど、おもしろい』となる」と話す。

 朝日新聞デジタルの熱心な読者でもある吉弥さんは、実際に声を聞くことで「記者のファンになる。紙面を読むと『あの人や』となる。朝日新聞にはいろんな人がいるから、もっと出ればいい」と言う。

 戸谷プロデューサーはコーナーが番組全体にもたらす効果について、「関心をもったリスナーがポッドキャストを聴いてニュースを深く知れば、番組の厚みにもつながる」。番組のポッドキャスト配信を進めるラジオ局も多い中、「朝日新聞ポッドキャストと関わる中で、ポッドキャストとの向き合い方を模索している」と語った。(仲程雄平)